フルノコゴケ

2017.11.28 埼玉県
フルノコゴケです。まるで花が咲いているようですね。右側に写っているウロコのようなものが葉で、その左側の奥のものが花被で、花被の口から出ているものが花のように見える蒴とその軸の透き通った蒴柄ですね。
川辺の小道を散歩していて見つけました。
小さなコケなので、ゆっくり歩いて注意していないと見過ごしてしまいます。
湿度が高いとこのように葉が立ち上がり、乾燥してくると一枚目の写真のように葉が寝てウロコのように見えます。
花被がたくさんついています。この花被の中にはまだ若い蒴が入っています。蒴が成熟するまで花被が保護しているのですね。蒴が成熟すると蒴柄が急に伸び、蒴が花被から出てくるのだそうです。
このフルノコゴケの属する苔類の蒴は一般にほぼ球状、あるいは楕円体状で、成熟すると黒褐色となる、と図鑑に書いてあります。この黒っぽい球体が蒴で、この蒴は外に出て乾燥すると自然に裂けるということです。多くの蒴は基部近くまで4片に裂け、全体が十字状になるとのことです。
不思議なことに上の黒っぽい蒴が裂けたら、こんなにかわいらしい色になりました。いったい何が起こったのでしょうか。蒴が裂ける瞬間に、そこに居合わせなかったことが悔やまれます。